節税対策

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節税対策

相続税は最も節税効果の高い税金

ここまで相続対策として、税金の納税額を少なくすること以外のことばかりお話ししてまいりました。しかし、我々とて「節税」を決してないがしろにしているわけではありません。
自身が努力して蓄積した、せっかくの資産。何も手をうたずに手をこまねいていて、国にごっそり税金を持って行かれてもしょうがないですよね。少なく出来るものなら出来るだけ税額を少なくしたい、それが当然の思いでありましょう。
「節税」も相続対策を考えるにあたって非常に重要なファクターです。
他の税法は、法律改正によりどんどん網の目が細かくなっており、単なる課税の繰延べでなく実質的に税金を減少させるための方法はかなり限られてきております。

しかし相続税にはまだまだ節税の余地が多く残されています。ちょっと財産の「形」を変えるだけで、税額が大きく変わったりもします。財産を誰に相続するかということだけで税額が違ったりもします。生前のかなり早い段階から確実に手を打てば、何千万円単位(資産総額によっては、億単位)の節税も充分可能です。

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節税対策も早い段階からの計画がキモ

相続対策は、その対策時期によって、具体的な対策スキームが異なります。
現実の相続発生まで10年以上ある場合と相続発生直前である場合とでは、必然的に打つべき手段が変わってまいります。
その時その時のタイミングでしか効果がなかったり、かなり早い段階から少しずつやることに意味があるものであったり、直前まで様子を見なければリスクが高いものであったり、さまざまです。
逆に言えば、着手のタイミングが早ければ早いほど、その後に行える節税手段は豊富であるということです。
しかるに節税対策も、現実に相続が発生する直前になって慌てて行うよりも、早い段階から計画的に行っていくことが肝要です。

相続が発生してからではもう遅いのです。相続税がかかる可能性のある方は、とにかく早いうちに「相続税」に興味を示していただいて、出来る限りの対策をうつことをオススメします。

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やはりテーマは「家族の幸せ」

しかし、相続税を少なくすればそれで良いと考えるのも、いかがなものかなと思います。
「相続」を語る場合に、実現すべき目的、ゴールは何なのか。これを見失ってはいけません。
「可能な限りの節税を行い、最も税金が安くなるように財産分割を行うこと」と「家族の幸せ」はイコールではありません。あまりに目先の「お金」を追いかけすぎることにより、場合によっては後々好ましくない状況に陥ることも考えられます。
家族のあり方は各家族ごとに全て異なります。その家族にとっての「相続」がどうあるべきなのか、どうあることが最も幸せなのか。そのゴールを明確にした上で節税に取り組んでいただくと道を踏み外さずに済むハズです。
しかし、「お金」というのも間違いなく「幸せ」を構成する一要素であることも真実です。あまりに理想を追い求め過ぎて無謀な税金を納めることになりましても、これは単純にもったいない話しです。
その両者のバランスを考えて一つのある地点に落とし込むことが必要となります。節税について税理士に相談するにあたっては、そのあたりのことをしっかりと話し合いながら進めていくことが大切です。

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生前贈与の活用

生前贈与ってなんですか?

生前贈与とは読んで字のごとく、「ご存命の間に自分の子供や孫などに贈与をすること」です。
一口に「生前贈与」といいましてもその手法はたくさんあり、相続対策の基本中の基本でありながらも、これを適切に行うだけで相当の節税効果があります。
ここではその中でも最も一般的かつその効果がバカにできない、現金の贈与についてお話しします。

まずは贈与税を知りましょう

まず贈与税とはどんな税金でしょうか?
もし相続税だけがあって、贈与税のしくみがない世界があったとしましょう。
そんなとき誰もが考えるのが、「死ぬ前に財産を全部あげちゃって財産がない状態にしておけば、まったく税金かからないよね」ということです。
これでは全く相続税が機能しませんし、著しく不公平が生じてしまいますので、そんなことがおこらないように、「贈与に対しては相続よりも強めに税金をかけましょう」ということになっているのです。
これが贈与税です。
ですので贈与税を納める人は「あげた人」ではなく「もらった人」です。
そしてその「もらった人」には1年につき110万円までの非課税枠が与えられています。
これを「贈与税の基礎控除」といいます。
ここで注意点は「誰からもらった」は関係なく、その年1/1から12/31の間でその人がもらった110万円までです。
そうでないと例えば100人から110万円ずつもらうと1億1千万円が無税になるわけですから、これはもちろん間違いです。

110万円の枠をきっちり活用する!

上記のとおり、せっかく年110万円までは非課税と国が認めてくれているわけですから、これを活用しない手はありません。
「たったの110万円か~」と思われるかもしれません。
しかし、相続人など財産を引き継がせたい人は一人ではないはずです(ご家庭によってはお一人の場合もありますが・・)。子供が二人いらっしゃって、それぞれに孫が二人ずついると仮定すると、その合計人数は6人です。その全員毎年110万円ずつ、例えば15年間贈与をしたとしましょう。
110万円×6人×15年=9,900万円 を無税で移動できるのです。
事前に相続税の概算をした結果、税率が20%や30%になる方に関しては、多少贈与税を納めてでも、その税率よりも低い範囲でしたら贈与した方がお得なのです。この場合、さらに大きな金額を節税することができます。
そのためにもまずは、相続税の概算を行いましょう。これが相続税の節税対策を行うための入り口にります。
そして小さな事からコツコツと。これが節税の基本なのです。
以下注意点を掲げます。非常に大切ですから、しっかり目を通して下さいね!

「贈与」成立のために

せっかく節税のために「贈与」を行いましても、後々になって税務署に「それは贈与と認められません」となってしまうと、これほどもったいないことはありません。
「贈与」というと「ただで物をあげること」というのが我々一般的な感覚かも知れませんが、法律上「贈与」というのは民法上の贈与契約をいいます。
これは簡単にいいますと、あげる方に「あげたよ!」という認識があり、さらにもらった方にも「もらったよ!」という認識があるときに初めて成立するということです。
よくあるトラブルとしては、親が自分で子供名義の通帳を作成し、その通帳に毎年のようにお金を貯金していってはいるものの、子供がその通帳の存在すら知らないといった場合です。
これは単に「名義が子供になっている」というだけで、法律的にはその所有権は親であると認定されます。
子供がその通帳の存在をしっており、お金をもらっているということを認識していて、さらにはそのお金を子供の自由な意思で使用することができる状態。これで初めて「贈与」として認識されるのです。

「贈与」と認識されるために

それでは贈与として認められるためには、どのようなことをせねばならないのでしょう?
それは次の3つです。

  1. 贈与契約書を作成する。
  2. 現金の手渡しではなく、必ず通帳を通す。
  3. その預金はもらった人が管理する。
贈与契約書
「契約書」というとたいそうな響きで、皆さんずいぶんと身構えてしまうのですが、そんな難しいことではありません。
要は、「○○年○○月○○日に□□から△△に***の贈与がありました」という書面を作成して、あげた人ともらった人がそれぞれ署名押印するだけです。  贈与契約書のフォーマットはこちら(PDF)
これにより、あげた人ともらった人のそれぞれがちゃんと認識してますよ、という証明になります。
毎年贈与をされるつもりの方は少し面倒ですが、必ずこの契約書を毎年作成して下さい。
「これから先10年にわたって100万円ずつ贈与する」というのはNGです。
「支払が10年にわたるだけで、実際には1000万円の贈与の意思がある」ということで、初年度に1000万円の贈与があったと認定されてします可能性があり、大変なことになります。
あくまで可能性ですが、念には念を入れて!
必ず通帳を通す。
「贈与がばれないように、現金で贈与しよう」という方がときどきいらっしゃいます。
これは大きな間違いです。契約書を作成し、その内容を明らかにしているわけですから、「贈与契約書のとおりに贈与が行われていますよ~」ということをむしろアピールしなければなりません。
「契約書はあるけど、ホントにそのとおりに贈与されてるの?」という税務署が抱く疑問を払拭する必要があるのです。
契約書の日付で、贈与をする側の通帳からもらう側の通帳にお金を移動していただくだけです。振込手数料がもったいない!と思われる方は、いったん引き出してから入金という形でもOKです。
要はその日付に契約書どおりのお金が移動していることが重要なんです。
その預金はもらった人が管理する
先ほども説明しましたとおり、もらった人が自由に使える状態でないとそれは贈与とは呼べません。
例えば友人の間で
「このCDあげるけど、僕の家に置いとくよ。聴きたいときは僕の許可をもらってね」
これでは「もらった」とはいえませんよね。それと同じ事です。
少なくとも通帳かカードのいずれかはもらった人の手元に置いておき、自由に引き出せる状態である必要があります。印鑑ももらった本人が管理しましょう。

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相続時精算課税による納税対策

相続時精算課税とは??

相続時精算課税の解説はこちら  「相続時精算課税による納税対策」

相続時精算課税を使ったさまざまな対策

相続時精算課税の説明で、「基本的に節税対策にはならない」とお話ししました。
しかし、その制度の特徴を利用して節税に活かすことも可能です。
その主な特徴とは、

  1. 実際に相続が発生し相続税を精算するときの計算は、贈与時の評価額で行われること
  2. 精算されるのは税金の計算だけであって、所有権は間違いなく贈与の時点で移っている。

ということです。
それぞれを活かす節税方法とは次のとおり。

  1. 今後価額が上昇することが確実な資産を相続時精算課税により贈与する。
  2. 今後収益を生んでいく資産を相続時精算課税により贈与する。

価額上昇が確実な資産の贈与による節税

例えば今は100万円だけれども、将来的に2000万円くらいになる可能性のある資産があるとします。
これを贈与せずに放置しておくと、実際に相続が発生したときに2000万円として評価されることになるかもしれません。
しかしその資産を評価額が100万円の間に相続時精算課税により贈与しておくと、いくらその価値がそのあと跳ね上がったとしても(極端なはなし、1億円になろうとも)、実際に相続が発生したときに税額を精算するにあたっては、100万円の資産として精算されます。
しかし、「そんな都合のいい資産があるものか」と思いますよね。
確かに「絶対」は難しいかもしれませんが、「かなり高い確率で」というものはあります。
たとえば、市街化が進んでいるエリアに所有している市街化調整区域の農地。市街化区域に指定された瞬間、その化学は大きく跳ね上がり、大変なことになります。
そして、中小企業経営者の方限定ですが、自社の株式。
中小企業経営者にとって、最初に資本金を出資し、その後利益があがっていけばその評価額はどんどん上がっていくものの「自分の財産」という感覚があまり感じられないため、気がついたらとんでもないことに・・というのもよくあることです。
「これからうちの会社は儲かるぞ!」という裏付けが明確であるならば、相続時精算課税を活用することも一つの選択肢です。

今後収益を生んでいく資産

相続時精算課税で贈与しても、その財産本体に関しては全く節税効果のない場合であっても、その財産を所有することで収益があがる場合は別の話しです。
最も典型的なのは、賃貸している不動産。
例えば賃貸している土地を所有しているとその地代収入は当然その持ち主のものとなり、もともと財産を減らして節税を図りたいにもかかわらず、資産は増える一方です。
そこでその収益を生んでいる土地を相続時精算課税を活用して早い段階で無税で次の世代に移転すれば、その後に生じる収益はすべてその次の世代の人のものとなります。
実際に相続が発生したときに税金の計算上精算するのは、その土地本体だけであり、当然その土地が生んだ収益については精算されません。
大きな収益を生む資産については非常に大きな効果があります。

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生命保険の活用による節税

生命保険を活用して、相続税の節税を行いましょう。

相続が発生する局面で生命保険には、争続対策や納税対策などさまざまな活用方法があります。
そして生命保険は節税に活かすこともできます。
現在生命保険には、
「500万円×法定相続人の数」
という非課税枠が設定されています。
つまりこれは簡単に言うと、相続人が3人いれば、1500万円までの生命保険については税金を課さないということです。
ということであれば極端な話し、1500万円の現金をもっているよりも、次世代を受け取り人とする保険に加入しそれをそのまま保険料として支払ってしまい、その後実際に相続が発生したときに保険金として受け取った方がお得ということになります。
その1500万円は非課税枠内であるため、なかったことになるわけですから。

しかし平成23年度改正(予定)にて上の算式の「法定相続人の数」が「法定相続人のうち、生計を一にしている数(障害者除く)」に改訂されました。
生計を一にしているとなると、同じ財布でごはんを食べている状態ですので、既に家を出てしまって別々の生計で生活をすることになっている子供は含まれないことになります。
そう考えるとかなりの縮小と考えられますが、それでもやはり節税を考える場合には使えるものは使い切るのが基本です。細かいこともおろそかにせず、一度税理士またはファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか?

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養子縁組の結果、節税に!

なぜ養子縁組すると節税に?

「息子の嫁が自分たちの面倒をよくみてくれるので、ぜひ養女として迎え入れたい。」「長男の子である孫を将来的なこの家の跡取りであるということを明確にするため、養子としておきたい」といった理由で養子縁組をされるケースがあるかと思います。
そして養子縁組をすることが結果、それが節税につながることがあるのです。
相続税額の計算の仕組み上、法定相続人の数によって非課税額が決定されます。つまり養子縁組を通じて法定相続人の数が一人増えることで、結果として節税がはかれるのです。
さらには相続税の計算の仕組み上、法定相続人が増えると税率が下がります。
具体的にはこちらの相続税速算表を参照下さい。  相続税速算表
同じ財産の額でも、法定相続人が一人増えることでこれほどまでに税金が変わります。

養子縁組には次のような問題点や注意点があります。

注意点その1 孫への相続に対しては相続税が2割増しに!?
遺産を孫に相続させる場合には、その孫が養子縁組により「子」となっている場合であっても、その相続税額は2割増しになります。
通常ではいったん子が相続しこの時点で一度相続税が課せられ、次にその子が亡くなったときに孫が改めて相続税が課せられるということになります。
この場合と比べて直接孫に相続した場合には、その財産分だけ相続税の課税が1回飛ばされる結果となってしまいます。
そのために孫への相続についてはその税額は通常の1.2倍ということになるので注意が必要です。
注意点その2 養子縁組を通じて相続税の節税効果があるのは1人まで!
養子にするだけで相続税が下がるということであれば、様々な理由をつけて親族をどんどん養子にし、相続税を免れる人が出て来る可能性があります(というより、過去においてあったそうです)。
そこで相続税法では、非課税額を計算するための相続人の数に数える養子の数は1人までと制限をかけております(実子のいない場合には2人まで)。ですのでたくさん養子を増やせばそれだけ節税効果があるというわけではありませんので悪しからず。
ちなみにこの場合も、民法上の養子縁組が取り消されるわけではなく、あくまで「相続税額の計算上」という話です。
注意点その3 他の人の相続分が減る!
養子とはいっても、実子と同じだけの相続分が認められております。
遺言がなければ分割協議の上では他の実子である子と同等の権利がありますし、もし遺言があったとしても、その養子自身に遺留分の権利が発生もし、他の相続人の遺留分が減ることにもなります。
このように、養子縁組を通じて発生する法律上の権利は他の相続人に大きな影響を与えることになるのです。
安易な養子縁組は新たな争続の温床となる可能性がありますので、細心の注意を払う必要があります。

養子縁組には、いろいろな問題点と注意点があります。必ず専門家に相談のうえ、他の節税を踏まえた総合的判断のもと行って下さい。

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小規模企業共済の活用

小規模企業共済とは?

小規模事業共済とは小規模の事業を営む個人や小企業の経営者が加入できる共済で、加入してその掛け金を支払うと、その事業を廃業したときや退職したときに一定の解約手当金が支払われるものです。  詳しくはこちら(外部サイト)
会社に勤務されているサラリーマンの方は会社を通じて厚生年金に加入していたり、退職のときには退職金が支払われ、それでもって老後の生活が保証されていきます。
しかし小規模の事業を営む個人や経営者の場合、それらのものが保証されておらず、その老後は不安定なものになりがちです。
そこで将来の自分のために小規模企業共済に加入し、将来や死亡時の残された人たちのために備えるのです。

小規模企業共済のメリット

小規模企業共済にはさまざまなメリットがあります

支払った掛け金は全額所得税の計算上所得控除の対象となります。
しかし支払う掛け金は月7万円(年額84万円まで)に制限されています。
廃業や退職の場合
廃業や退職の場合には解約ということになりますが、その解約手当金が所得税の計算上退職金として扱われます。
退職金は所得税の計算上、非常に大きな控除が設定されており、その上実効税率もとても低くなります。
相続税の節税の話しを抜きにしてもこれだけでも結構な効果があると思われます。
死亡退職の場合
死亡退職の場合にも相続税の計算上、退職金として扱われます。
退職金には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が設けられており、生命保険同様、枠が与えられている以上活用しない手はない!ということです。

小規模企業共済の注意点

廃業や退職以外の中途解約の場合には思わぬ税金がかかります。
廃業・退職以外の解約の取り扱いについては、もちろん退職金扱いではなく、保険の満期と同じく一時所得となります。
その上通常の保険ですと、満期や解約の金額からそのために支払った掛け金を引くことになるのですが、小規模企業共済の場合にはすでにその掛け金支払の段階で所得から控除されているため、解約金から引くことができません。
掛け金を支払うのが資金繰り上大変になった場合には、解約ではなく、掛け金を減らしていただく(最低月額1,000円まで)のが得策です。
小規模企業共済といえど、元本が保証されているわけではありません。
しかしこれは小規模企業共済に限った話しではなく、他の共済も同様です。
むしろ他の共済よりも安心感があると思いますが、「必ず」元本を上回ると考えていただくには少し問題があります。

不動産賃貸をされている方に最も効果的です。

小規模企業共済の対象者は、小規模事業を営む個人や小企業の経営者ということですが、例えばアパートの賃貸収入がある人も立派な「小規模事業者」です。従いまして小規模企業共済に加入することができます。
ここで通常の事業を営む方と違うところは、お亡くなりになるまで事業を継続できるということです。通常の事業の場合には一定の年齢に至ったときに廃業を考えたり、子供や他の人に事業を任せたりということで、生前に「退職」を迎えることになり、その時点で小規模企業共済の解約手当の受け取りということになります。
しかし不動産賃貸収入の場合には、その所有者が本人である以上本人の事業ということになりますので、小規模企業共済の解約手当金を「死亡退職金」として受け取ることができます。
そこで結果として、小規模企業共済に加入していなかったら現金で保有していたであろう財産を、共済に加入すること通して「退職金」に置き換えることにより、死亡退職金の相続税非課税枠を活用して節税することができるのです!

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配偶者へ居住用財産を贈与する

婚姻期間が20年以上である夫婦の間の自宅の贈与です。

相続税節税の基本的な考え方として、まずはいかにその方の財産を減らすかということになります。生前贈与による金銭贈与もその一つなのですが、ここでご紹介するのも生前贈与による節税のひとつです。
基本的にはいかに夫婦の間とはいえ、その間で発生した贈与については原則として贈与税が課税されます。しかしやはり長年連れ添ってきた夫婦の間で、その配偶者の老後の生活の保証を考えると、二人の力で作り上げた財産の象徴ともいえる「自宅」を配偶者へ贈与することにそのまま贈与税をかけるのは好ましくないということから、一定の条件を満たす配偶者間の自宅贈与については、2000万円の非課税枠を110万円の基礎控除とは別に設定しています。
その条件とは次の通りです。

  1. 婚姻期間(戸籍に入っている期間)が20年以上であること
  2. 贈与された財産が居住用の財産または居住用財産を購入するためのお金であること
  3. この贈与をした年の翌年3月15日までに、この適用を受ける贈与税の申告書を税務署に提出していること

自宅の価額が2000万円を超える場合には?

計算してみると、自宅の価額が2000万円を超えるとわかった場合に、「じゃあ贈与税がかかるからやめとこう」というのではもったいない話しです。
こんなときにはその自宅の一部だけを贈与すれば良いのです。
例えば非常に大きな自宅をお持ちの場合で、価額が6000万円したとしましょう。
2000万円までは非課税なわけですから、ちょうどその枠に収まるようにするならば、その自宅の1/3だけを贈与することで、贈与税がかからずに財産を移転することが可能になります。
ただし、登録免許税や不動産取得税はかかりますので、その金額まで含めた中でプランニングの必要があります。

建物・土地による贈与か、金銭での贈与か

建物や土地は実際に取得するのにかかった金額よりもその評価額が低いのが通常です。特に建物にいたっては、新築の段階で評価額が購入金額の50%~70%くらいに圧縮されます。
従いまして、金銭で贈与をするよりも一人の名義で購入してしまってから贈与する方が、結果として多くの財産を移転することができます。
ただし、購入時のあと贈与時にもう一度登録免許税・不動産取得税等がかかりますのでご注意を!

土地と建物は同時に贈与してください!

この規定を活用して自宅を配偶者に贈与し、その後の人生の中でその自宅を売却する可能性がある場合には、土地だけでなくほんの一部でも結構ですので建物をセットで贈与してください。
居住用財産の売却にともなう譲渡所得の計算では、3000万円の特別控除があります。これは譲渡をする「人」ごとに設定されているのですが、この適用を受けるためには土地だけでなく建物の譲渡である必要があるのです。
お二人でこの規定が使えると最大3000万円×2=6000万円の特別控除枠があり、よっぽどのことがない限り自宅売却で所得税が発生することはなくなるはずです。

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分割の仕方で、税額は変わります。

相続の節税対策のタイミングって??

相続税の節税は、相続が発生する以前がキモです。どれだけ早めに手がけていくかによって、もちろん法律改正によるリスクも高まるわけですが、非常に幅広くさまざまな手段を行使することができます。
実際に相続が発生した時点で過去のことを変えることは出来ません(もしやったとしたら、それは脱税です)ので、あらゆる手段のうち99%は手を打つことができない状態になります。
しかし最後の1%。ここが大切です。確定した財産をどのように分割するかで、相続税額は大きく変わります。
相続が発生するまでに組み上げたプランの総仕上げになってまいります。あくまでプランはプラン。最後のツメを実行しないと計画倒れになってしまう可能性もあります。
従って、実際に相続が発生した時点での手続き等につきましては、これまで共にプランニングを行ってきた専門家と行うことがとても大切なことなのです。
そんな意味でも、相続対策は相続の全体を見渡しつつその隅から隅までくまなく対応できる、そして最後の最後のときまで丁寧に面倒をみてくれる専門家集団が必要になるのです。

税金の安くなる分割って?

相続税の計算上、基本的に配偶者に対する課税は非常に有利に設定されています。基本的にその人の財産は配偶者との協力のもと形成されたという考え方があるからです。
配偶者が引き継ぐにあたっては1億6千万円までは無税ですし、それを超えても1/2は課税されません。
しかしだからといって配偶者が何もかも相続してしまって良いのでしょうか?
失礼ではありますが、お亡くなりになった方とその配偶者は年齢が非常に近いのが一般的です。従って相続対策を考える場合には、その主たる方だけではなく、その配偶者の方がお亡くなりになる瞬間までを想定しておく必要があります。
配偶者がお亡くなりになるときには、もちろんその配偶者は先に亡くなっていらっしゃいます。相続人が一人少ない状況で迎えてしまうのです。
相続税の計算上、相続人が一人少ないとそれだけで大きく税額が変わります。
そう考えますと、一回目の相続で配偶者にとにかく資産を押しつけるということがいかに不合理なことかご理解いただけるかと思います。

果たして一番税金が安くなる分割が一番幸せでしょうか?

それでは一回目・二回目合計した相続税がもっとも安くなるように分割すればいいのでしょうか?それもまた問題がありように思います。相続対策の考え方の入り口に立ち戻りましょう。
まずは何を最も大切にしているのか。
分割により相続税額が変わることも確かですが、最も税金を安くすることを目的としてしまうとおかしなことになってしまいます。一番大切にしなければならないことを実現するにはどのような分割が好ましいのか。それを常に念頭に置いておく必要があります。
分割の仕方による節税は、相続発生後の数少ない節税ではありますが、実際に相続が発生したときに初めて焦り始めるのではなく、やはりプランニングの段階でどのように分割するかということまできっちりと決めておきたいものです。

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子や孫への住宅資金の贈与

節税対策の基本的な考え方は、「いかに財産の価額を減らすか」そして「いかに財産を無税で(または低い税金で)次の世代に受け渡すか」の二点です。
近い将来、お子さんやお孫さんに住宅を購入する予定はありませんでしょうか?
その場合、その住宅購入資金の一部を贈与することで彼ら彼女らの資金負担を減らし、さらに節税対策にあてることができるのです。

お子さんの住宅購入の資金を一部負担することは、お子さんに現金をあげることですので、贈与に該当します。
贈与については贈与税が発生し、その非課税額は年間110万円であることは別項にて解説いたしました。
しかし平成23年現在、お子さんが購入する住宅資金の贈与についてはこの110万円とは別に1000万円の非課税枠が設定されています。
もしお子さん自身に自分の力で住宅を購入するだけの能力があったとしても、それは大切にとっておいていただいて、これを機会に金銭贈与してしまうことが節税対策上、非常に有効です。
なぜならその1000万円はそのままであればもしお亡くなりになったときに相続税の対象となってしまうかもしれないのですから。
それならば無税で引き継げるとき、つまりお子さんの住宅購入の機会に引き継いでしまいましょう。

しかしこれには次のような条件があります。

  1. 自分の父や祖父(直系尊属といいます)から受けた住宅購入のための資金であること
  2. 資金の贈与を受けた子や孫が20歳以上であること
  3. 贈与を受けた翌年3月15日までに贈与税の申告書を提出すること
  4. 贈与を受けた翌年3月15日までにその住宅に居住することまたは居住が確実と見込まれること
  5. 贈与を受けた子や孫のその年の合計所得金額が2000万円以下であること

上記ですべての条件を完全に網羅しているわけではありません。必ず税理士に相談のうえ、進めていただくことをお勧めします。

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事業承継にともなう節税対策

ご自身が同族会社の経営者でいらっしゃいましたら多くの場合、その会社の株式のほとんどを所有されていることと思います。
その株式は実際に手元にあって目に見えるものではないものですから、それが財産であるという認識は非常に薄いものになりがちです。
しかしそれはれっきとした財産なのです。
例えば会社に1000万円の出資をしたとしましょう。手元からお金はなくなっていますが、それは現金が1000万円の株式に姿を変えただけなのです。
しかもこの「株式」というものは、会社に利益がでるとその分どんどんと評価額つまり相続税計算上の価値が上昇していきます。
毎年利益を出し続けて数十年経営を続けていると、何億円という金額になっていることも珍しいことではありません。
その評価額がそのまま相続税の対象となってくるわけですが、たちが悪いことにその株式は現金かすることが容易ではありません。なぜなら株式を譲渡するということは、会社の支配権の一部を人に渡すことだからです。

この株式についても他の節税方法同様、「価値を下げる」方法と「次世代に引き渡す」方法があります。
「価値を下げる」とは、意図的にその株式の評価額を下げることです。そして「次世代に引き渡す」とは、価値が上昇してしまう前に次の世代に贈与してしまうということが手法となってまいります。
またはこの合わせ技が非常に有効です。
具体的には非常に多岐にわたるうえ、株式の評価方法は技術的にも専門的なものとなっております。
また最近には農地と同じように「納税猶予」の制度もできあがっております(非常に条件が厳しくはありますが)。

事業承継にともなう節税対策はその金額が大きいことや、その結果が後の事業にも大きな影響を及ぼすことから、とても重要になってまいります。
必ず事業承継のノウハウをもった税理士に相談のうえ、慎重かつ計画的にすすめていただくことが大切です。
ご心配の方はぜひ一度、当方にご相談下さい!

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